今回は、マンション大規模修繕で起きるトラブルについて解説していきます。
国土交通省のデータによると、築26年を超えるマンションは全体の約40%に達しており、大規模修繕が必要な物件は急増しています。それに伴い、業者とのトラブルや住民間のトラブルも増え続けています。
この記事では
などをお伝えします。
こちらの記事をお読みのあなたはトラブルなく大規模修繕を進められる可能性が非常に高いので、ぜひ最後までお読みください。
マンション大規模修繕トラブルの根本原因は「業者選定の構造」にある

大規模修繕のトラブルには、共通した原因があります。
それは「業者を選ぶ仕組みそのものに問題がある」ということです。
管理会社でも施工会社でもない、独立した立場だからこそ書ける業界の実態をお伝えします。
「中立なはずの存在」が中立でない——管理会社と設計コンサルの問題

大規模修繕の業者選びを「管理会社」や「設計コンサル」に任せれば安心——そう思っている方は多いです。でも実は、どちらも構造的な利益相反があります。
管理会社は工事会社から工事代金の一部を受け取る仕組みになっています。国土交通省の調査でも業界全体の慣行として認められています。
5,000万円の工事なら500万円が管理会社に入る計算です。
管理組合がそれを知らないまま工事を進めると、割高な見積もりや不要な工事に気づけないまま契約してしまいます。
設計コンサルも同様です。
報酬が「工事代金の○%」の場合、工事規模が大きいほど取り分が増えます。
また長年のつきあいから特定の工事会社ばかりをすすめるケースもあり、実際に公正取引委員会が談合として処分した事件でもコンサルと工事会社の癒着が確認されています。

管理会社への丸投げも、コンサルへの無条件の信頼も、どちらもリスクがあります。「選ぶ人が本当に中立かどうか」を確認することが、トラブルを防ぐ第一歩です。
マンション大規模修繕で起きるトラブル5選

大規模修繕のトラブルはなぜ発生するのでしょうか。
こちらの章では、大規模修繕で起きる5つの具体的なトラブルを解説していきます。
トラブル①|着工後に突然「追加費用が必要」と言われた

工事が始まってから「想定外の劣化が見つかった」として、数百万円単位の追加費用を請求されるケースがあります。
着工前に安い見積もりを出しておき、断りにくい状況になってから金額を上げる手口です。
口頭で「わかりました」と答えた時点で承諾とみなされるリスクもあるので注意が必要です。
トラブル②|工事が終わったのに外壁がすぐ傷んできた

外壁塗装で規定3回塗りのところを2回で済ませるなど、工程を省略する手抜き工事が起きることがあります。
竣工直後は問題なく見えますが、1〜2年後にひび割れや雨漏りが発生します。
再施工を求めても「経年劣化です」と言い逃れされるケースも実際にあります。
トラブル③|ベランダが使えない期間に住民から強い反発が出た

外壁・防水工事中はベランダへの立ち入りが数週間単位で制限されます。
洗濯物が干せない・エアコンが使えないといった不便が続く中、事前の告知が不十分だと住民からのクレームが理事会に殺到します。
工事が一時中断に追い込まれたケースもあります。
トラブル④|ベランダに置いていた私物が工事中に壊された

防水工事中にベランダの植木鉢や家具が破損するケースがあります。
「撤去をお願いしていた」「していない」という水掛け論になり、補償をめぐって半年以上争いが続いた例もあります。
事前の取り決めがないと解決が長引きます。
トラブル⑤|住民が「大規模修繕ノイローゼ」に陥った

足場設置・高圧洗浄・グラインダーがけの騒音、シンナー臭、ベランダが使えないストレスが数ヶ月続くと、イライラ・不眠・うつ傾向が出る住民も出てきます。
在宅勤務の方は特に影響を受けやすく、理事会へのクレームが止まらなくなるケースがあります。
このような大規模修繕トラブルを防ぐ方法3選

大規模修繕トラブルを防ぐための3つのことが重要になってきます。
この3つを意識して安心した適正な工事を実現していきましょう!
トラブルの防ぎ方①|追加費用と施工不良は「書面」で防ぐ

追加工事が発生した場合は、理由・範囲・金額を必ず書面で出してもらってください。
口頭での承諾は避けてください。また契約前に「どんな場合に追加費用が発生するか」を契約書に明記してもらうことも重要です。
竣工検査の際は専門家に同席をお願いし、気になる点は書面に残してもらってください。
トラブルの防ぎ方②|ベランダトラブルは「事前通知」で防ぐ

着工の2週間前に「いつから・何日間・どのフロアが対象か」を書面で全戸に知らせてください。
ベランダの私物については「自己管理・自己撤去」をお願いする旨も書面で伝え、破損時の補償ルールを施工会社と事前に取り決めておいてください。
工事前後のベランダの状態を写真で記録しておくと万が一のときの証拠になります。
トラブルの防ぎ方③|住民ストレスは「情報共有」で防ぐ

着工前の説明会で「いつ・どんな音が出るか・いつ終わるか」を具体的に伝えてください。
見通しが持てるだけで住民のストレスは大幅に下がります。工事中も掲示板やチラシで進捗を定期的に共有してください。
クレームを受けた際は「ご不便をおかけしています」と共感を示した上で、終了時期を具体的に伝えることが大切です。
マンション大規模修繕のトラブルは業者選びで9割防げる!その方法は?

大規模修繕のトラブルを防ぐ方法をご紹介させていただきました。
大規模修繕をトラブルを防ぐためには業者選定で9割は防げると言われています。
こちらの章では、業者選定にあたって重要なことを解説していきます。
トラブルを防ぐために重要なことは「独立した第三者」を業者選定に入れること
管理会社でも設計コンサルタントでも施工会社でもない、独立した第三者を業者選定に介入させることで、これまで紹介したトラブルの大半は防げます。
解説した通り、管理会社、設計コンサルにはそれぞれ構造的な利益相反があります。
この構造の外側に立てる人間が選定に関わることで、初めて相見積もりが正しく機能します。
相見積もりが機能するには3つの条件が必要になります。
- 業者がお互いに独立していること:管理会社・コンサルの関係先で固められた相見積もりは競争が起きません。
- 同一仕様・同一条件で比較できること:各社がバラバラな仕様で出した見積もりは金額で比較ができません
- 見積書の内容を読み解ける人間がいないこと:専門知識がない状態では、割高な項目や工事が含まれていても気づけません
この3つを管理組合だけで満たすのは現実的に難しいです。
実際に当社が支援したケースでは、
管理会社が推薦した施工会社の見積もりと、
独立した業者3社の相見積もりを比較した結果、
同じ工事内容で2000万円の差が出たことがありました。
施工会社をどこにするかより、その施工会社を誰が選ぶかの方が重要です。
選ぶ人間が管理会社や施工会社と利害関係を持っていれば、どれだけ相見積もりを取っても意味がありません。
管理会社・施工会社と利害関係のない第三者を選定プロセスに入れることが、トラブルを防ぐ最も確実な方法です。